不動産に関する質問|名古屋市の不動産鑑定士、税理士の株式会社エーエムエス|AMS

不動産に関する質問|株式会社エーエムエス|AMS

不動産に関する質問

問1 土地を購入する際に気をつけることは何ですか。

ご自分の居宅建築のために新規に土地を購入することを想定します。
注意点はいくつもありますが、ここでは2つほどご紹介します。

 

住宅用地購入でかなり多いのは土地区画整理事業施行済みもしくは施行中の地域内の土地でしょう。土地区画整理事業は大規模なものになると、施行前と施行後で道路状況、地形、環境等が大きく変わってしまい、地元の人でさえ、以前はどのような状況であったかわからなくなる程です。

 

液状化に関しては、愛知県の場合、「防災学習システム」という愛知県のHPで簡単に状況を把握することができます。名古屋駅西側から海部津島方面や港方面は「赤」や「黄」表示となっているところが目立ちます。

 

赤のエリアが確実に液状化するわけではありません。これは500mメッシュで危険度を告知しているに過ぎないからです。日本は災害から免れることのできない国です。液状化以外に活断層、土砂災害もあります。ひとつの事項に関する危険性だけに大騒ぎしても仕方ないと感じます。

問2 不動産の証券化は今後どうなるのでしょうか。

不動産の所有権(信託受益権を含む)を、不動産を所有するためだけを目的とする会社(SPC,TMK等と呼びます)に移転し、この会社の出資分等を小口化して第三者に配分し、一定の利益を配当する仕組みが不動産の証券化です。

 

世界的に金余りの状況が続いており、行き場の無いマネーが再び不動産市場に流入しつつあるようです。アベノミクス効果も叫ばれており、証券化は一層進展することは間違いありません。

問3 DCF法とは何ですか。

投資対象の不動産(土地建物)が生み出すであろう投資期間中のキャッシュフローの現在価値の総和に、投資期間満了時の転売価格を加算することにより不動産の価格を求めようとする手法です。

 

英語のDiscounted Cash Flowの略です。DCF法が重視されるようになった背景には、不動産の捉え方がこれまでの土地重視から、土地建物一体としての不動産に転換したことにあります。

 

DCF法適用に際しては、まずキャッシュフローの把握及び予測を行い、将来転売価格を査定するための還元利回り(ターミナルキャップレート)及び現在価値を算出するための割引率の査定が重要な要素となります。
尚、保有期間に関してはかつては5〜10年が妥当とされましたが、近年では3〜7年が標準的となっています。

問4 今後、不動産価格はどうなるのでしょうか。

2019年現在、都心部は収益性の観点から投資マネーの流入が顕著です
東京・大阪・名古屋など大都市だけでなく、最近は地方の中核都市でも地価上昇傾向が明らかとなっています。他方で人口減少・過疎化・高齢化で大多数の地域では土地需要が減る一方であり、地価の下落は止まりません。そのような中で、今後も地価が下がらない、需要が見込めるエリアに投資が集中することは間違いなく、いわゆる地価の二極化が進むものと思われます。

問5 中古マンションを購入しようと思うのですが。

マンションは規格化された商品です。建築された年代によって間取り、外観、諸設備等が大きく変化していくことが特徴です。最近のマンションでは柱を外部に置き、梁もなく、室内が天井面でもフラットな構造になっていることが一般的です。天井も高く、2.5mも珍しくありません。

 

築年数が10年以上の中古マンションの場合、実物を見に行くと天井の高さに満足いかないという方、梁が出っ張っていて背の高い家具が置けないという不満が多いようです。
またバス(風呂場)が狭い、部屋の結露がひどいなどの話もよく聞きます。

問6 収益物件の適正な利回りはどの程度ですか。

利回りと一言で言いますが、大きくは2つに分けられます。
ひとつは収益不動産から挙げ得る総収入を不動産価格(=投資価格あるいは時価)で割ったもので、これを粗利回り(グロス)といいます。

 

もう一つは純収益(総収入から総費用を控除したもの、いわゆる利益部分)を不動産価格で割ったもので、純利回り(ネット)を呼びます。

 

一般的には、粗利回りで表現することが多いのですが、これは収益不動産の用途(オフィスビル、店舗、賃貸マンション等)、築年数、立地状況、建物の品等(グレード)、空室状況、管理状況等によって大きく異なります。

 

尚、巷の収益物件売買の広告で、「満室時利回り」と表記されていることがありますが、これはあくまでも現時点の想定家賃を基に満室であったとしたならば得られるであろう利回りです。

 

決して現在の家賃収入から求めた利回りではありませんから、注意が必要です。特に今後は空室率の動向に留意しなければ安全な投資はできません。

問7 方位によって土地価格にどの程度の格差がつくのでしょうか。

日本人はつくづく日当たりを気にする民族だと思います。知らない場所に行ったときでも街中の住宅配置状態を見れば、おのずと南側はわかります(南向きに開口部を多く取っているので)。ここでいう方位とは道路と敷地の接道状況を意味します。南側方位とは敷地の南方に道路があり、一般的には居宅の南方に道路という「公開空地」が生じるため採光に恵まれます。

 

分譲住宅団地、土地区画整理地内の土地売却の状況を見ると、現実に北方位と南方位の格差は拡大している観があります。愛知県内では北方位に比べると、南方位が10〜15%程度、土地価格(単価)が高いようです。

 

ただここで気をつけねばならないのは、地価に影響するのは「方位」ではなく、「日照・採光」であることです。北方位の土地であっても、地域全体が南ダレの傾斜地であれば日照・採光に大きなマイナス要素にはなりません。また敷地自体が大きい場合も、接道方位が影響する割合は減ります。更に敷地面積に比べて、敷地の奥行が長い土地も同様なことが言えます。

問8 地価公示価格とは何ですか。

地価公示とは、地価公示法に基づいて国土交通省が毎年1月1日現在の地価を3月下旬に公表する制度です。
国土交通省の土地鑑定委員会が地価公示一ポイントごとに2人以上の不動産鑑定士に鑑定評価をさせ、審査・調整の後、公示することになっております。

 

一般の土地取引価格に対しての指標を与え、公共事業の際の用地買収価格算定に活用することとされています。現在では、相続税路線価算定や固定資産税評価にも利用されています。

 

尚、ほぼ同様な公的土地評価指標として愛知県等各都道府県が実施する地価調査というものもあります。

 

問9 相続路線価と時価とはどう違うのでしょうか。

相続路線価は、主として相続税・贈与税申告の際に土地評価額算定で用いられる1平方メートル当たりの単価です。
実際には該当する路線価に土地の形状、間口、奥行等を勘案して「画地調整」を施し、面積を掛けて総額を算出します。

 

相続路線価は基本的に地価公示価格の8割水準と規定され、いわゆる「時価」よりは安くなるようになっています。

 

しかしながら、道路の状況が異なっても、道路幅員が違っても同一の路線価が敷設されていることも少なくなく、また一部の地域では「時価」との逆転現象が指摘されるなど「精度」は粗いものとなっています。

問10 人口減少時代です。不動産需要は減少するのではないですか。

確かに日本は人口減少時代に突入しました。単純に考えれば土地需要及び賃貸共同住宅、賃貸オフィス等の需要は長期的には減少傾向は避けられないでしょう。

 

 但し、不動産の場合、その需給動向に大きな影響を及ぼすのは人口ではなく、世帯数です。実は日本は人口は減少しても、世帯数は当面増加し続けます。これは単身者世帯や少数家族世帯が今後増加するからです。

 

また人口世帯数の増減は地域別の傾向も顕著であり、愛知県は首都圏に次いで人口の流入が続く地域であることが報道されています。従って、土地需要も賃貸需要も全体的にすぐに減少に転じる可能性は少ないものと思われます。

 

不動産需要に関して言えば、人口減少時代は、地価の二極化に拍車を掛ける公算が大でしょう。地価が0円となる地域はかなり続出することと感じます。全体的な印象では、現在住宅地の平均地価が上昇に転じているところは人口世帯が増えているところです。

 

地価の下落に歯止めがかからないところは人口世帯共減少傾向がはっきりしているところが多いようです。やはり長期的には人口動態と地価動向とは密接な関係があるようです。

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